京都で別格とも言われる格式高い「南禅寺」に愛犬とともに散策にきました。
愛犬連れでない方もぜひ参考にしてください!!
京都・南禅寺
京都の南禅寺は京都市左京区南禅寺福地町にある臨済宗南禅寺派の大本山の寺院です。
京都にある臨済宗の五大寺である「京都五山」には天龍寺・相国寺・建仁寺・東福寺・万寿寺とあり南禅寺は「五山之上」に位置付けされる別格の寺院です。
応仁の乱で焼失しましたが江戸幕府によって再建され武家からの信仰もあり「僧禄」という日本全国の臨済宗の寺院を統括する地位を与えられました。
明治維新が始まり幕府とつながる南禅寺は大きく縮小されてしまいました。
しかし琵琶湖疎水という大きな計画が完成すると明治政府の役人達が別荘を建築し南禅寺境内は富裕層の庭園へと変わりました。
アクセス
電車 京都市営東西線 蹴上駅 |
市バス 「東天王町」下車|「南禅寺・永観堂道」下車 |
車 最寄りのインタ- 京都東インター |
駐車場
南禅寺前交差点より参道を進んだ場所、中門前に第1駐車場があります。
駐車料金|2時間以内ー1000円 2時間以上1時間毎-500円追加
大駐車場が空いていない場合は近くにコインパーキングもあります。
紅葉シーズンなど混雑が予想される時の車は避けた方が無難かもしれません。
中門前の売店
南禅寺境内前には売店とトイレがあり風情ある小橋があります。
きれいな水路があり門をくぐる前から楽しむことができます。
休憩もできる落ち着いた場所です。
拝観料金
南禅寺境内は無料になりますが三門・万丈庭園・南禅院の見学には拝観料がかかります。
有料場所で愛犬が入れる場所はバックに入れての入場になり三門のみ入れます。
三 門:一般-500円・高校生-400円・小中学生-300円
万丈庭園:一般-500円・高校生-400円・小中学生-300円
南 禅 院:一般-300円・高校生-250円・小中学生-150円
愛犬は水嫌いですがなぜか小川には興味があるようです。(笑)
中門
南禅寺の中門をくぐると南禅寺境内に入ります。
中門
寺院などで南大門の後方にある門になります。
1601年の戦国時代の武将である松井康之より寄進されたものになります。
中門の立派さにも驚き、いよいよ南禅寺境内に入る何とも言えない緊張感です。
京都の歴史が感じられます。
勅使門
中門の並びには勅使門があります。
勅使門
重要文化財に指定されており1641年に明正天皇が御所にあった日ノ御門を移転させたものです。
南禅寺・境内
中門をくぐり境内に入るとさまざまな場所に水が流れています。
水との縁が深い寺院ということが景観からも良く分かります。
趣のある境内で愛犬の足どりが軽く感じられます。
桜に新緑、紅葉と四季折々の景色が楽しめます。
大きな石碑や石灯篭など景色と一体して溶け込むように存在しています。
「この門を入れば涼風おのづから」と石碑に大きく掘られています。
森永湛堂老師自筆の句で重さ15トンの石になり、大きな木々の中でも大きな存在感があります。
中庭の庭園を通ると大きな門が見えて来ます。
三門
境内からひときわ目立つ大きな南禅寺のシンボルになる三門です。
三門
仏道修行で悟りに至るための三つの関門を表す空・無相・無作の三解脱門を略した呼び名であり寺院を代表する正門です。
別名「天下龍門」と呼ばれ日本三大門のひとつになり国指定重要文化財に指定されています。
三門が建立されたのは永仁3年(1295年)西園寺実兼の寄進によるものでしたが文安4年(1447年)火災で焼失しました。
現在の三門は寛永5年(1628年)に大坂夏の陣の戦没者慰霊のために再建されたものになります。
南禅寺を題目とした歌舞伎の舞台「桜門五三桐」の中で三門からの眺望は石川五右衛門の「絶景かな絶景かな」というセリフで有名です。
拝観料を払って楼門に上がると高さ22mの高さから境内の自然を見る事ができます。
愛犬はバッグに入れての入場だと一緒に上がることができます。
三門の柱の大きさに驚いてしまいます。
三門はかなり遠くからでないと写真にも納まらないほどの大きな建造物でした。
法堂
三門をくぐると正面には法堂が見えます。
法堂前にはお香を立てる立派な「浄香台」があります。
お線香をお供えします。
とてもきれいに盛られた灰に見とれてしまいます。
お線香を立てる時も安定して立てられます。
お香の香りは気持ちが引き締まるような気がしますね。
法堂
南禅寺の中心にある法堂は法式行事や公式の法要などが行われる場所になります。
中には須弥壇上の中央に本尊釈迦如来、右に獅子とともにいる文殊菩薩、左に像とともいる普賢菩薩の三尊像を安置しており床は一面の敷瓦になっています。
天井には今尾景年画伯の大作「雲龍図」が描かれています。
法堂の中には入れませんがお賽銭付近の場所で天井の龍を見る事ができます。
龍は想像上の動物で空中を飛行し雲や雨を呼び稲妻を放つといわれ佛法を守護してくれるものとして崇められています。
京都には龍にまつわる場所が多くあります。
写真撮影は禁止ですので目で天井の龍を拝みます。
法堂を抜けていくと庭園に咲き始めた桜が…
多くの桜が満開になるころはとても美しい景色になります。
南禅寺には桜も新緑も紅葉もとても良く似合う景観ですのでいつ来ても楽しめます。
万丈
万丈は有料になる庭園です。
万丈は愛犬の入場禁止になります。
万丈
万丈とは禅宗寺院において住職の住む場所をいいます。
1611年に旧御所の建物を移転、再建したものであり表側の大万丈と裏側の小万丈とあります。
中には狩野派の障壁画が重要文化財に指定されています。
大万丈は名勝に指定されている万丈庭園になり前面の庭園は「虎の子渡しの庭」と呼ばれた江戸時代の名作庭家の小堀遠州による名庭です。
小万丈は枯山水庭園で「心」という漢字の形に石が配置されています。
如心庭とも呼ばれています。
数々の素晴らしい庭園は見る者の心を落ち着かせてくれます。
南禅院
南禅院も拝観料が必要になります。
南禅院は愛犬の入場禁止になります。
南禅院
南禅寺の別院であり南禅寺発祥の地になります。
亀山法皇の離宮跡になります。
鎌倉時代末を代表する池泉回遊式庭園になり周りは山々に囲まれた静寂の空間です。
京都の三名勝史跡庭園の一つに指定されています。
山がすぐ横の静かな空間にある南禅院はとても落ち着いた気持ちにさせ素敵な時を与えてくれます。
愛犬の入場禁止の場所は交代でお守りをして拝観をしてみることも提案の一つですよ。
水路閣
南禅寺を代表するレトロな雰囲気の水路閣です。
疎水
明治維新後5年の歳月をかけ1888年に琵琶湖疎水が建てられました。
明治維新により東京を都にすることとなり活力をなくした京都に活力を戻すため琵琶湖の湖水を京都市内へ流すための一大事業として建設されました。
疎水の水力で上水道に日本初の事業用水力発電などに活用し舟で物資の行き来も盛んにできる計画です。
現在は上水道の水源として利用されています。
この水路橋は延長93.17m、幅4.06m、水路幅2.42m、煉瓦造アーチ構造のデザインで京都を代表する景観のひとつになります。
京都に命の水をもたらしたのがこの琵琶湖疎水になります。
この水路閣はレンガ造りの水道橋になっており国の史跡に指定されています。
境内を通る琵琶湖疏水水路閣は多くのテレビドラマの撮影場所に使われるなど京都の絶景として知名度抜群の場所です。
水路閣のアーチ状の橋の下で撮る写真は幻想的なフォトスポットになっており写真を撮る列が各場所にできるほど人気の場所になっています。
人の少ない時間帯をねらって写真を撮りたい方は早朝くらいしかありません。
我が家の愛犬、写真慣れしていないので棒立ちなのですがノスタルジックな風景がかなり愛犬の写真写りを素敵な写真にかわる手助けてをしてくれています。(笑)
レンガ造りがとても美しく異空間に迷い込んだようにも思えてきます。
水路閣と言われる水道橋の上を歩くことができます!
水路閣の脇にある階段を上っていくと水路閣上部が見えます。
アーチ状の橋の上には勢いよく水が流れています。
橋の上を水が流れているという当たり前のことですが水量の多さに驚いてしまいます。
琵琶湖疎水は本流から蹴上で分岐し山麗に沿って南禅寺⇒若王子⇒高野⇒下鴨⇒堀川と流れていきます。
疎水のおかげで「南禅寺水路閣」や「哲学の道」などの景勝地も誕生し京都の街の活性化になりました。
水路の両側が歩けるようになっており京都の景色を眺めながらゆっくりと散策できます。
愛犬は景色よりも水の流れが気になるようです。
水路に沿って歩いて行くと水の流れる音がひときわ大きくなります。
水力発電のダムが見えてきました。
迫力のある水の流れが山の中の景観をがらりと変えこの場所での大きな存在感となっています。
この向かいには小さな公園の広場があり田辺朔郎像が立っています。
田辺朔郎像
田辺朔郎は琵琶湖疎水の設計、施行の総責任者でした。
当時はほとんど機械などなく人力のみに頼る長さ2436mのトンネルの工事に難を極めたが巧みな技術と強い信念、不屈の精神力によりこれを克服しました。
また優れた先見性により世界で2番目の水力発電をこの蹴上の地に実現し産業動力源とするとともに日本初の路面電車を京都に走らせました。
近代都市京都の基礎を作った人物になります。
京都の恩人として京都市が田辺朔郎像を建てたようです。
田辺朔郎像から階段を降りると噴水の池があります。
池を囲うようにベンチがあります。
気持ちのいい休憩場所で水の流れとともにゆっくりと時間が流れていくようです。
この公園をまださらに降りると蹴上インクラインです。
蹴上インクライン
南禅寺近くにある全長582mの世界最長の傾斜鉄道跡になります。
高低差約36mの琵琶湖疎水の急斜面で船を台車に乗せて運行するために敷設された傾斜鉄道跡地です。
現在は京都の文化財に指定されています。
春には両脇に満開の桜並木が見られ線路を歩いて鑑賞できる絶景スポットです。
秋には紅葉も楽しめます。
普段は歩けない線路を歩くという新鮮さが何とも言えません!
こちらもフォトスポットとしても有名で多くの人がさまざまな写真を撮っています。(いわゆるインスタ映えです)
せっかくなので愛犬も記念撮影!!
なかなかカメラ目線をしてくれません。
こちらは桜の時期ですと早朝でも人がいるほどの人気のフォトスポットです。
ゆっくり写真を撮りたい方は新緑の綺麗な早朝がいいかもしれませんね。
インクラインと三十石船
傾斜鉄道跡地のこの蹴上インクラインに三十石船が展示されています。
琵琶湖疎水で使用されていた運輸船を復元した船になります。
疎水の高低差が大きいために船ごとインクライン(傾斜鉄道)の台車に乗せてこの坂を昇降させていたようです。
とても大きな鉄道に船が乗っているのがこちらで見られます。
時代を感じる展示になります。
琵琶湖疎水記念館前
蹴上インクライン跡地を最後まで下っていくと琵琶湖疎水記念館前につきます。
記念館前には疎水から勢いよく流れ出る水と大きな池に噴水があります。
石の橋が架けられておりこの景色を一望できます。
記念撮影には景色も良くいい場所ですので愛犬も記念撮影してみました。
京都三大事業とされモニュメントが建てられています。
実際に見てみると力強い印象が残るモニュメントです。
琵琶湖疎水記念館にご来場の方は池に向かって右側の道を行くとそのまま入っていく事ができます。
レンガ造りのトンネル「ねじりまんぽ」
蹴上駅近くにはレンガ造りのトンネル「ねじりまんぽ」があります。
ねじりまんぽ
三条通から南禅寺へ向かう道路の造成に伺って明治21年(1888)に完成しました。
高さ約3m、幅約2.6m、長さ18mです。
「まんぽ」とはトンネルを意味する古い言葉です。
トンネル上部の台車に乗った船が行き交うインクラインの重さに耐えられるよう内壁のレンガは斜めに巻かれトンネルはインクラインと直角ではなく斜めに掘られています。
このような形状のトンネルは全国的にかなり少なく、また多くが老劣化や廃線撤去されました。
ねじりまんぽは明治時代の土木技術を物語る貴重な遺産になります。
蹴上インクラインの下を通るトンネルになっておりインクラインの場所からレンガ造りの屋根がみえています。
琵琶湖疎水記念館前の池に向かって左側の道を歩いて行くとねじりまんぽに辿り着きます。
不思議なトンネルになっており名前も不思議ですよね。
歩行者用のトンネルになっています。
外から見ると普通のレンガ造りのトンネルのように見えますがよく見るとトンネルの壁は螺旋状にねじられて造っています。
空間までねじれて見えるほどです。
通ってみても年月を感じるトンネルでした。
インクラインにきたらぜひこのねじりまんぽもおすすめです!
終わりに
京都は見どころが満載にあります。
少し風変わりな風景が撮りたい!と思ったら南禅寺がおすすめです。
愛犬と不思議な空間のお散歩の参考にしていただければ幸いです。
京都には歴史を近く感じられる場所が多くあります。
愛犬との京都の散策を楽しめるねねの道もよろしければあわせてご覧ください。
京都の八坂神社の散策は豆知識も一緒にご覧になれます。
京都の桜の見どころも楽しめます。
神社やお寺は神聖な場所になりますので愛犬のマナーは必ず守りましょう。
ご覧いただきありがとうございました。