京都といえば寺社仏閣が多くの歴史ある場所です。
そのなかでも四神の社の「京都五社めぐり」は有名です。
京都は四方に北の玄武、東の蒼龍、西の白虎、南の朱雀の四神に守られていたと考えられています。
京都五社めぐりの場所は玄武ー賀茂別雷神社(上賀茂神社)、蒼龍ー八坂神社、白虎ー松尾大社、朱雀ー城南宮、そして中央の場所にこの平安神宮になります。
平安神宮
京都市左京区岡崎西天王町にある平安神宮は広大な敷地にひときわ目を引く朱色の社殿や庭園など平安時代を思わせる美しい風景です。
主祭神 桓武天皇
孝明天皇
平安遷都1100年を記念して明治28年(1895年)に桓武天皇を御祭神として創建されました。
桓武天皇は第50代天皇になり平安京の遷都を行った天皇であり京都の人々に慕われ、幕末の戦乱での京都復興を願った人々により御祭神に迎えられました。
昭和15年(1940年)には平安京有終の天皇、明治維新の基盤を築いた孝明天皇も御祭神として迎えられました。
アクセス
電車・バス
JR「京都駅」⇒バス「岡崎公園 美術館・平安神宮前」 下車
阪急「河原町駅」⇒バス「岡崎公園 美術館・平安神宮前」「岡崎公園 ロームシアター京都・みやこめっせ前」下車
駐車場
※平安神宮専用駐車場はありませんが近くに有料駐車場があります。
京都市営岡崎公園駐車場
みやこめっせ駐車場
参拝時間
境内 6:00~17:30
神苑 8:30~17:00
大鳥居
ひときわ目立つ大きく鮮やかな朱色の鳥居があります。
平安神宮の神門から約300メートル南の表参道、神宮通にあるとても立派な大鳥居です。
昭和天皇大礼を記念して建設されました。
京都府技師の阪谷良之進の設計で高さ24m、幅18mの鳥居の構造は鉄筋コンクリート及び鉄骨造の明神鳥居になり当時は国内最大級になりました。
岡崎公園
大鳥居から岡崎公園をぬけて神門へ向かいます。
公園の入り口には平安神宮の石碑が建てられています。
平安神宮の由来もあり歴史ある場所の実感ができます。
公園内ではイベントや催事など開催しており、この時は「平安蚤の市」が開催していました。
蚤の市は不定期ですが毎月ほぼ10日に開催され100店舗以上のお店が立ち並びます。
世界中のアンティーク品が並びさまざまな文化が楽しめます。
骨董品や古道具に古着、古本など珍しいものばかりで見ているだけでもとても楽しめます。
愛犬もあちらこちらキョロキョロしています。(笑)
岡崎公園では他にもハンドメイド商品やスポーツ関連、レースなどさまざまなイベントが行われる日があります。
ロームシアター京都に京都市京セラ美術館なども近隣にあり少し疲れたら花木の中で休憩ができるので安らげるいい公園です。
愛犬連れのお散歩の人も多くいました。
ベンチでゆっくりお花見などもできます。
手水舎・古札納所
神門前に手水舎と古札納所があります。
古くなったお札やお守りなど捨てることにも気が引けてしまうので返す場所があることはとても安心できます。
(神社とお寺とは返す場所が違うので注意しましょう。)
お参りに行く前には手を清めていく事が礼儀ですので手水舎は必要です。
現在コロナ対策で手水舎の使用はできません
手水舎の作法
柄杓を右手で持ち、柄杓にたっぷりと水を汲みます。
柄杓の3割くらいの水を左手を水を清めます。
続いて柄杓を左手に持ちかえ、同じく3割くらいの水で右手を清めます。
両手を清めたら右手に持ちかえ左手に水を注ぎ口を清めます。(唇が濡れる程度で構いません)
※この時少し水は残しておくこと!!!
最後に両手で柄杓を立てるように持ち、柄杓の持ち手部分に水が流れるようにします。
清め終わると元の位置に柄杓を戻し一礼して離れます。
応天門
平安神宮の入口、応天門です。
應天門(応天門)
平安京大内裏の正庁朝堂院を8分の5のスケールで再現されたのが平安神宮です。
その南面正門を再現したものになります。
平安遷都1100年(明治28年)に住時の様式を復元し平安神宮の神門として建造されました。
建坪 約112平方メートル
高さ 18.43メートル
国の重要文化財になります。
愛犬連れの方はここより先の境内ではカート、もしくはバックに入れてください。
二層の櫻門になり美しい朱色のりっぱな建造物です。
門の上方には書の達人、弘法大師によって書かれた「應天門」の額がかけられています。
弘法大師といえば空海という平安時代のお坊さんで有名な人物です。
実は弘法大師、「應天門」の額が掛けられた後、應の字の点が一つない間違いに気づき、下から筆を投げて点を付け加えたというお茶目なエピソードがあります。
どんな達人でも間違いはあるということわざ「弘法にも筆の誤り」はここからきているんですね。
現在かかっている應天門の額は弘法大師が書かれたものではありません
応天門のさまざまな歴史を感じながら眺められます。
蒼龍楼・白虎楼
大極殿から東の蒼龍楼、西の白虎楼と長い廊下でつながっています。
応天門を通って左側に白虎の手水舎と白虎楼が見えます。
白虎楼
東方の蒼龍楼とともに平安京朝堂院の様式を模したものになります。
屋根は四方流れ、二重五棟の入母屋造、碧瓦本葺で施されています。
境内一面がとても鮮やかな色になり美しい風景が見られます。
現在、手水舎はコロナ対策のため使えません。
右側には蒼龍楼と蒼龍の手水舎が見られます。
蒼龍楼
西方の白虎楼と同じく平安京朝堂院の様式を模したものになります。
こちらも屋根は四方流れで二重五棟の入母屋造、碧瓦本葺が施されています。
蒼龍楼は国の重要文化財に指定されています。
大極殿から蒼龍楼につながる歩廊は神職さんが列になり歩いている姿も時折見られます。
右近の橘・左近の桜
境内の大極殿前に「左近の桜」「右近の橘」があります。
大極殿は国家行事を行う正殿になり天皇をお守りする左近衛府の官人の”近”の文字を使って右近の橘、左近の桜と名付けられています。
天皇から見て左側にある桜を「左近の桜」右側にある橘「右近の橘」と名付けられています。
桜は清らかさを大事にする日本人の心を表すものとして「日本の国家」にもなっています。
橘はミカンの種類で唯一の野生種でありその実は古くから常世国(とこよのくに)の不老長寿の薬として大切にされてきました。
「ひな祭り」には欠かせないひな壇には必ず右近の橘、左近の桜がありますが平安神宮でお目見えするとは驚きでした。
お雛様を飾る時に飾る方から見て右近は右、左近は左と置いてしまいそうですがお内裏様とお雛様側から見て右に橘、左に桜と間違えずに置けるようになりますね。(笑)
大極殿
平安神宮の境内の中央にある立派な神殿が大極殿です。
大極殿
古代の役所の建造物の中で最も重要なたてものになります。
正面は約30メートルの大きさになり天皇の重要な行事などの儀式が行われました。
平安遷都1100年記念事業の一環として平安時代の様式を模して大極殿が建造されました。
規模は当時の約2分の1で屋根は一重の入母屋造で碧瓦を用いた本葺になります。
平安時代を懐かしむことのできる唯一の文化遺産になります。
国の重要文化財に指定されています。
大極殿で二礼二拍手一礼で参拝します。
参拝を終えると大極殿内の授与所があるので拝見。
さまざまなお守りがあります。
健康、病気平癒の御利益のあるお守りや京都の東西南北を守護する四神(蒼龍・朱雀・白虎・玄武)を表す4色のオパールが埋め込まれた開運招福・無病息災のお守りもあります。
なんとペットのお守りもあります。
可愛い肉球のお守りで鈴も付いています。
古来より鈴は魔よけといわれています。
愛犬の健康長寿を願ってうれしさのあまりに購入です!!
平安神宮は愛犬家に優しいお社です。
平安神宮神苑
平安神宮神苑
社殿を囲み南、西、中、東の四つの庭で構成され総面積はおよそ1万坪(33000平方メートル)になります。
明治を代表する回遊式庭園として国の名勝に指定されています。
琵琶湖疎水を取り入れ100年以上の時を経た自然豊かな平安の日本庭園です。
平安神宮の庭園になり有料になります。
拝観料
大人 600円 (団体割引あり30名~) |
小人 300円 (団体割引あり30名~) |
障がい者手帳の提示 規定金額の半額ー介助者1名も半額(障がい者団体割引あり) |
神苑内もペットはバック、またはキャリーに入れて入場可能です。
ペットは無料になります。
拝観時間
季節により多少変わりますのでご注意ください。
3月1日~3月14日・10月1日~10月31日 8:30~17:30(入苑は17時まで)
11月1日~2月末 8:30~17:00(入苑は16:30まで)
3月15日~9月30日 8:30~18:00
南神苑
明治28年の平安神宮創建より八重紅しだれ桜の名所として親しまれ昭和44年の孝明天皇100年祭の記念事業として平安時代特有の野道と小川が設けられました。
昭和56年には竹取物語や伊勢物語、古今和歌集に枕草子、源氏物語などに登場する草木が約180種類植栽され平安の苑とされました。
広さは約1700坪になります。
自然豊かな庭園の中には植物に分かりやすく立て札があり古今和歌集からは「かはづなく井出の山吹ちりにけり花のさかりにあはまし物を」と書かれており山吹が植えられています。
他にも源氏物語からは芹(セリ)や伊勢物語からはカツラなど文学とともに植物を楽しめます。
小川の水もとてもきれいで緑と水の景観を際立たせています。
日本最古の電車も展示されています。
明治28年1月31日に日本最初の交通輸送業電車として京都電気鉄道が運行したものになります。
当初は時代の先駆けとして交通事業に貢献するところが多くありました。
明治45年には京都市が市営にて電気敷道の営業を開始、大正7年6月には京都市に合併されました。
しかし時勢の維持は難しく最後のこの線も昭和36年7月をもって廃止され永年「チンチン電車」の愛称で親しまれ最古の電車も姿を消すことになりました。
展示している電車は当初のもので平安神宮創建とも深い関係があることから京都市より払下げを受け記念として保存されています。
車体は梅鉢鉄工所の製作になり電動機はアメリカゼネラルエレクトリック社の製品になります。
昭和31年頃、神戸製鉄株式会社により修理が施されました。
日本最古のチンチン電車にはさまざまな人の歴史があったのかと思うと立ち入り禁止なので近くには行けませんが角度を変えてしみじみ見てしまったり中を覗いてみたりしてしまいます。
西神苑
平安神宮創建の明治28年に中神苑とともに造られました。
白虎池を中心とされた庭は池の西側に出島があり、北側には神苑唯一の滝、西南の築山には茶席「澄心亭」があります。
初夏を彩る池の花菖蒲は有名になっています。
スイレンや花菖蒲など敷き詰められたように植えられており自然が息づいた景観に気持ちよく散策できます。
およそ200種類の花菖蒲が池を彩る時期は見ものです。
この大きな白虎池には庭園風景が鏡のように映ります。
愛犬もこの庭園を気持ちよさげにバックから見ています。
木漏れ日の美しさと小川の水が映える場所なので愛犬も満喫しているのでしょうか。
中神苑
西神苑と同じく平安神宮創建に造られたものになり庭の中央には「蒼龍池」があります。
池の東の大島(珊瑚島)から北にかけて天正年間の三条・五条両大橋の古い石柱や梁を用いた「臥龍橋」と呼ばれる橋もあります。
また光格天皇の愛する「折り鶴」という珍種を含め池を囲んでカキツバタが群生し睡蓮が咲き初夏には風情ある景色を楽しむ事ができます。
大きな蒼龍池を中心に素晴らしい景色が広がります。
「臥龍橋」なる飛び石になった橋が見えます。
池に龍が伏せる姿に見えるよう造られ「臥龍橋」と名付けられました。
神苑作成者 第7代目小川治兵近衛が手掛けたものになります。
使用された石材(白川石)は天正17年に豊臣秀吉が造営した三条・五条の両大橋の橋脚であります。
臥龍橋は池に落ちるかもというリスクがあります。
ですがせっかく来たので渡ってみました。
緊張すると余計に変な動きになってしまいますが愛犬は下を見て不思議そうです。
渡ると島になっていて島から池のまわりの景色を眺められます。
池の石の上で日光浴をしている亀が近くで見られました。
島での風景を楽しんだ後はまた元の岸に戻ります。
岸に戻るにはまた飛び石を使って戻らなければなりません。
緊張感も終え元の位置に戻って散策開始です。(笑)
藤棚があります。
藤の季節になると妖艶な紫の花がきれいに咲きそうです。
少し先に歩くと鳥居が見えました。
地主社があります。
地主社
御祭神は大地主神になります。
平安神宮創建より境内の東北(鬼門)に鎮座します。
当時から災難除けの信仰があり現在も参詣者が絶えません。
中の奥まった場所にお社があります。
除災招福を願って二礼二拍手一礼でお参りです。
池のまわりには多くのカキツバタや花菖蒲があります。
光格天皇の愛したカキツバタ「折り鶴」もありました。
池をきれいに彩る時期が楽しみになります。
折り鶴のあるすぐ近くに茶屋があります。
休憩をとるなら「東屋」の茶屋で雰囲気もよく景色を楽しみながらとてもゆっくりできます。
庭園に似合う造りのお休み処で抹茶セットやコーヒーセット、ゆず茶セットなど美味しくいただけます。
休憩を終え、歩き進むとすぐに東神苑です。
東神苑
東神苑は明治末期から大正初期にかけて造られました。
京都御所から移築された恭平閣(橋殿)と尚美館(貴賓館)があり広大な栖鳳池には鶴島・亀島の二島を配し周囲には八重しだれ桜をはじめさつき、つばめなど多様な花木が植えられ水面に映る花々の格別な風景が楽しめます。
また東山を背景とした神苑は明治時代を代表する名庭です。
桜の季節は見事な景色になる庭園なのが分かります。
池のまわりから見る橋も雰囲気があり見ると心が落ち着くような気がします。
さすが名勝の神苑の景色です。
泰平閣(橋殿)に来ました。
池泉回遊式庭園が眺められる回廊になります。
橋には休憩できるベンチが両側にあります。
景色を眺めて橋の上の休憩ができるなんて贅沢な気分です。
愛犬もともに休憩します。
両側に違った景色が見られ目の楽しみも2倍になり四季折々の景色が堪能できます。
橋の中央あたりに鯉のエサもあり餌やりしながら休憩も可能です。(エサは有料です)
橋の造りも時代を感じるものでとても落ち着けました。
休憩がゆっくりできたところで神苑出口が近くなりました。
結婚式場が近くにあります。
こちらの結婚式はとても格式の高い思い出に残る結婚式になりますね。
向かいには尚美館(貴賓館)があります。
八重桜が周囲に多数植えられており建物をより一層引き立てる景色になります。
建造物をしきりに眺めているとあっとゆうまに神苑出口にやってきました。
平安神宮神苑は美しい景色といい時間を過ごせました。
終わりに
平安時代を身近に感じられる空間、それは平安神宮です。
鮮やかな朱色の色合いのコントラストに魅入られ、美しい日本庭園では自然を楽しめる。
とても充実した時間を過ごせます。
それに愛犬にも優しく一緒に楽しめます。
ぜひ愛犬連れの方、愛犬連れでない方も平安神宮に訪れてみてください。
みなさんのご参考になれば幸いです。